オマケ:小さい頃の“こだわり”エピソードです。

 子リスにとって、「決めていたことをし損なった」というのはまさに一大事で、騒ぎになることが本当によくありました。

 2歳。主人の実家への道路沿いに中古車の店があり、店の前にはマスコットの大きな鳥の人形がいました。

いつもそれを見つけては、「あっ、鳥さん!」と喜んでいたのですが、ある時、そこに近づいた時に子リスが外を見ていなかったので、私が「ほら、鳥さんだよ」と教えました。

でもタイミングが悪く、「えっ?」と子リスが外を見た時にはもう店の前を過ぎてしまい、“鳥さん”を見逃してしまいました。しまった!言うんじゃなかった!!と後悔してももう遅く、子リスは
「見~た~かった~!!」と騒ぎ出します。
そして、泣き続けること30分。

 

 同じく2歳、マクドナルドに行った時のことです。小さいパンケーキを食べていた子リスは、一つを床に落としてしまいました。「あっ、落としちゃったね。これは汚いから、別のを食べようね」と言って私は、床に落ちたパンケーキをティッシュに包みました。すると子リスは
「食~べ~た~かった~!!」
また来たか…とため息が出ます。

「食べたかったねえ。」と私。まずは子どもに共感してみる…と、本に書いてあったアドバイスを実践してみます。(こういう状況に何度も立たされていたので、いろいろな策を“研究”していました。)しかしこちらのやり方がどこか未熟なのか、それとも心から共感していないことを見抜かれているのか、敵もツワモノで、
「じゃあ食べる。」
(えっ?そう来る?)「うーん、でもこれ食べたら、お腹痛くなるよ。」
「食べる!」
「だってこれ、汚いんだよ。」
「食~べ~る~!!!!!」
このあたりからもう、こちらの理性も危うくなって来て、
「じゃあ食べたら!?」
すると今度は子リスが
「お腹痛くなるから食べない。」
「そうでしょう?やめようね。」
「食~べ~る~!!!!!」
「なら食べなさい!」
「お腹痛くなるのイヤだ!」
「だったらやめなさい!」
「食べたいっ!!」
と子リスは、テーブルを叩き出しました。周りのお客さん達も見ています。こうなるともう、育児本のアドバイスなんかどこかにキレイに吹っ飛んでしまい(つまりキレてしまい)、
「いいかげんにしなさいよっ!」
と、(おそらく)オソロシイ顔で子リスをにらみました。そして、「もう限界」と思った私は、
「そんなに騒ぐ人はお店の中にはいられませんっ!」
と言って子リスを椅子から降ろして脇にかかえ、急いで外に出ました。泣きわめく子リスを無理やり車のチャイルドシートに括り付け、発車します。(こうやって子リスを脇にかかえて店を出たことが一体何度あったことか…)

 車の中でも子リスは、
「お店に戻って~っ!!!!」と、ずっと泣き叫んでいました。そればかりか、バタバタ暴れてチャイルドシートから抜け出して来ようとするのです。車を路肩に停めやすい場所ではなかったので、
「もうちょっと待ってなさい!!」
と言いましたが、子リスはますますひどく暴れます。そうカンタンに子どもが抜けられるような構造にはなっていないと思うけど、必死の形相の子リスを見ると、火事場の馬鹿力が出ていないとも限りません。私は
「黙って座ってなさいっっ!!!」
と、声を限りに叫び続けました。
 何度か車を停めながら、とにかく家まで帰って来て部屋に入った時には、ほっとした気持ちと同時に、怒りがこみ上げてきました。
「なんであんなことしたの!!!!」
 それから延々、子リスを叱った(というよりは怒った)ことは言うまでもありません…。ようやく双方落ち着いた時には、私は喉が痛くなっていました…。
 やりたかったことが出来なくて泣いたり癇癪を起したりするのは、子どもにとっては当たり前のことだと思いますが、その泣き方が尋常でなく、そして長い…。“パンケーキ事件”のようなことは本当によくあり、まさに日々が私達の忍耐力との勝負でした。

4 COMMENTS

といぷー

こんにちは。

3月にメールし先月返信いただきました、小学校5年男の子の母です。
”こだわり”のエピソードを見て、まったく家の子も同じです。
小さい時の方がこだわりが強く、現在は少なくなったように感じています。
しかし今日も彼なりの何かがあり、火がついてしまったかのように泣き叫んでいました。家の近所では「虐待をしている」と噂になっているようです。その事で、学校の担任に相談したことも。
このような状態が続くと、母としても精神的に参ってしまい、子供にも強く叱ってしまい、後になりかなり反省をしています。
あの時もう少し違う接し方があったのではと。こういう状態になる時は必ず原因があるはずと・・・。
こんな時、子リス君のお母さんはどの様に子リス君と接していましたか?

これから中学→高校へと進学するでしょうが、とても不安な毎日です。

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おかあさんリス

といぷーさん、

「こだわり」について共感して下さって、また”仲間”に出会えた気持ちです。

…とはいえ、渦中にある時は本当に本当に困惑し、そして疲弊しますよね。

こだわりによって癇癪を起こした時はどうするか。子どもの個性によっても、また、その子の年齢によっても違うと思いますが、一貫して言えるのは、まずは「困って泣いている」気持ちに寄り添うことなのだろうと思います。
私には、それが十分に出来たと言えないのが悲しいところですが、それでも、子どもが取り乱して泣きわめいている時に、それと「対決」するのではなく、その心を理解しようとする姿勢は、少しずつ少しずつ、子どもの心と態度を和らげるということ、それは実感しました。

泣き叫んでいる時には、とてもじゃないけど落ちついて対処なんで出来ない!・・・のが現実ですが、
子どもが落ち着いた時に、「さっきはどんな気持ちだったの?」と聞いてみることも、意外と方向転換のきっかけになると思います。
うちの息子の場合には
(自分が決めたことが出来ないと)「怖いの・・・」という答えでした。それを聞いて、驚いたと同時に、何かがクリアになったような気がしたことを覚えています。怖いなら、怖くないようにすればいいのか・・・。という感じです。だからといってすぐに状態が改善されたわけではありませんが、自分がこだわっていることが出来なかったり、決まったこと通りに物事が進まないことが、息子にとってものすごく大きな不安になるのだということだけはわかって、ある程度の方向が見えた気がしました。
それで、取り乱した時には、
①出来る範囲で息子の納得することをさせる。
②出来る範囲を超えることである時には、「気持ちはわかるけど、今はそれは出来ない。でも、こういう理由で大丈夫だからね。必ず大丈夫って、あとでわかるから。」と言い続ける。
③「大丈夫だったでしょう?」と、確認する

というような感じで何度か、切り抜けたことがあります。そうしているうちに、「大丈夫な経験」が積み重なっていくのだと思います。

実は近日中に更新予定のブログにも、「癇癪をおこした時は・・・」という内容の文を載せる予定になっています。
参考になることがあればいいのですが・・・もしよかったら、覗いて見てください。

上の①をさせるのは、親にとっては勇気の要ることもあります。こんなこと、させてていいんだろうか?これじゃあどんどん「普通の子」からかけ離れていくのでは?という不安に駆られたり・・・私はそうでした。
でも、そうでもないんですよね・・・。とにかく「その場で安心させること」を最優先にしていくことが、変な言い方ですが、親の望む普通に近づける道であったりするように思います。

それともう一つ、ご近所のことですが・・・うちも、直接言われたことはありませんが、
「これは近所では間違いなく虐待と思われているだろう」という泣き方を、息子はしていました。
それもありましたし、挨拶が出来なかったりする事情を知っておいていただきたいということもあったので、同じマンション内でよく話をする人には、大体の事を話しておきました。
これは話せる人かどうかによって違ってきますが・・・。

また様子をお知らせいただけたら嬉しいです。
いろいろお話ししましょう!!

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ぽぽ

はじめまして。4歳の子供が場面緘黙と思われます。現在療育センターに行きはじめて次回医師の診断ですが。
1歳頃から2歳の頃のカンシャクがひどくて(家族以外と話さなかったり無表情になってしまうことも既に気になっていましたが)相談を区役所にしました。専門家の方がその時は様子を見て学校に上がる前に気になるようならまた相談に来て下さい。でした。
4歳を迎えて幼稚園か保育園か考えましたが保育園を申し込みました。入れたら仕事を探そうと。。ですが、待機児童となり一時保育になりました。
ところが、保育園に通うもやはりしゃべらないどころかトイレも行かず、給食の時間も座れず立ったまま。。他の時間も立ったままでお友達の様子を見て過ごします。これは。。と思い早速相談をはじめました。
9時半から12時半の一時保育で少しづつ伸ばそうと思っていましたが、それは実際問題子供には無理なことで結果的には一時保育でよかったなと。。
そんな時場面緘黙の検索でこちらのブログを見つけました。
夢中で読ませて頂きました。
5年生でもカンシャクが続いたりするのか。。と他の方のコメントを見てびっくりしたり。長丁場ななるんだなと思いましたが、これからも色々参考にさせて下さい。

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おかあさんリス

ぽぽさん、はじめまして。コメントをありがとうございます!
「1歳頃から2歳の頃のカンシャクがひどくて…」という文、そしてお子さんの今の様子を伺って、日々のご苦労をお察しします…。本当に息子のカンシャクも大したものでした。高校生になった今も、親族、友人の間で語り草となっています。
保育園事情など、なかなか難しいですね。でも結果的に、短時間での保育でよかったと思われていて、勝手ながらほっとしてしまいました。
まずはじっくりと、安心できる場所を確保してあげることが大事なのかなと思います。お子さんにとって、その安心の場所が家だけしかない時期もあるかもしれませんが、それはそれで大丈夫。保育園自体に問題がないとぽぽさんが感じていらっしゃるなら、”ほいくえんはいいところだね、楽しいね、先生も優しいね”、と言い続けていると、たとえ(たとえ、です。)卒園まで泣き続けたとしても、活動に参加しなくても、たとえお休みばかりになったとしても、卒園後は「いい所」として記憶に刻まれて、そこは心のよりどころになったりするものだと思います。勿論、保育園の方針や先生のアプローチに疑問がある時は、また考えていく必要がありますが…。
是非またお話聞かせていただければ、と思います。
また覗いて見てくださいね。

おかあさんリスより

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