2年生時代 その④ デカパン競争

 9月。今年も運動会の時期がやって来ました。
 幼稚園時代から毎年、私達家族にとって、運動会は年度内一と言っていいほどの「注目イベント」です。「今年は何をやってくれるのか?」と、家族みんなの期待と不安が高まります。 

 年中の時…。徒競走では、スタートからゴールまでゆっくりと、歩きました。年長の子とペアでやるサーキット(障害物競争のようなレース)では、「何でこんなことしなきゃならないんだ」とでも言いたげな顔で、ペアになった子にシャツの裾を引っ張ってもらって、輪くぐりやジグザグ道などを進んでいました。本当は手をつないで行くのですが、子リスは、お友達と手をつなぐということが出来なかったのです。(そういえばその頃、「ボクにも、テナガザルみたいなシッポがあったらいいのに。シッポならつなげるのに。」と言っていましたっけ…。)玉入れも、ダンスも、ただ輪の中にいるだけで、殆ど何もしませんでした。
 年長になっての運動会、「徒競走、今年は走るか…?」という家族の注目の中、なんと手を体の後ろに組んで、ゴールまでスキップで行きました。
 そして昨年、小学校生活最初の運動会で、ついに子リスは走りました!
徒競走で「走った」とは、至極当たり前のことですが、子リスにとっては大きな難関を突破したこと、そして私達家族にとっては、校内第一位になったかのような喜びでした。 


 さて今年は…残念ながら、二年生には徒競走はなかったのです。その代わり、「デカパン競争」というものがありました。それは、それぞれのチームの色の巨大なパンツに、子どもが4人ずつ並んで入り、(子どもの胴体がすっぽり入るサイズです)パンツが落ちないように手で掴みながら、4人で足並みを揃えて走る、クラス対抗リレーです。
 今回「青組」だった子リスは、他の3人の子と一緒に水色の巨大パンツに入って、出番を待っていました。背の高さがバラバラだとやりにくいため、背の順に4人組が作られます。小さい子リスの組は当然みんな小さく、巨大パンツからは小さい頭だけが四つ、お団子のように並んでいました。
 出番が近づいて来た時、子リスの組は、なんだかモゾモゾ…。
ん?何をしてるんだ??と思ったら、子リスが必死に、耳をふさごうとしているのです。そして、パンツの上の部分を握ったまま手を耳に持って行こうとするので、パンツは上にあがり、みんなの顔を隠してしまうのです。幸い他の子ども達は、どうしてパンツが上がって来るのか気づいていない様子。

 実は子リスは、「大きな音」がとても苦手で、運動会のスタートのピストルの音も、恐怖の一つでした。幼稚園の運動会では、スタートにホイッスルが使われていたので問題はなかったのですが(走りはしなかったけど…)、小学校からはピストルの大きな音です。昨年の運動会でも、徒競走のスタートでは一生懸命に耳をふさいでいましたが、昨年の担任のA先生がスターターだったことにも励まされ、何とかスタート出来ました。今年も、運動会の練習が始まった頃から、家で「ピストルの音はなんであんなに大きいんだろう…」と悩んでいたのでした。

 子リスが「デカパン」を引き上げるため、四つ並んでいたおダンゴ頭は、半分しか見えない状態になっていましたが、ついにピストルが「バーン!」と鳴ると、子リスは耳から手をおろし、パンツは元の位置に戻って、4人は走り出しました。
パンツの下から出た八本の短い足が、もつれるように動いています。途中で、女の子の一人が転んでしまいましたが、すぐにみんなで助け起こし、また4人並んで走り、そして無事、次の組にタッチしました。

 偶然、スタートを待つ子リスの組の様子を、広報委員の方がアップで写真に撮って下さっていました。子リス本人は、「これ、やだ~。」と嫌がって、あまり見ようとしませんでしたが、それは私の、ひそかな「小学校時代の子リスの写真、お気に入りベスト10」に入っています。

1 COMMENT

子リス

今は全く気にならないことですが、この頃の気持ちは、はっきりと覚えています。

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