2年生時代 その② 先生達

 担任のM先生が、これから子リスの問題を理解し、寄り添って下さるだろうという信頼を持つことが出来たので、まずは安心して2年生のスタートを切ることが出来ました。先生が場面緘黙症について詳しくはご存じでなかったことは、前回書いたように、ある程度想定していたことだったので、そのために不安に思うことはありませんでした。

 ただ、担任の先生だけでなく何人かの先生方と関わる中で、「場面緘黙症って、やっぱり学校教育の現場でもあまり知られていないんだなあ…」と感じることは、何度もありました。「病気」とはっきりおっしゃる先生もいれば、「喋らないという個性」と考えているように見える先生もいました。
 また、実は子リスの学年には、もう一人、一年生時代に殆ど学校で話さない子がいたのですが、2年生でその子の担任になった隣のクラスの男性教師は、「家では話してるんでしょう?だったらいいじゃないですか。学校でのことを話さないって悩んでいる親御さんもいるんだから、家で話すだけいいじゃないですか」と言い、それ以上取り合ってくれなかったそうです。(結果的には、その子が抱えていた問題は場面緘黙症ではないと診断され、話すことに関しては2年生のうちに克服したそうです。)

 もし先生が持っていた情報が間違っていた場合は、「そうではないんです」と正しい情報を伝えて、わかってもらえば解決することです。問題は、この男性教師のように「それ以上取り合ってくれない」場合です。これは学年主任の先生や校長先生に直談判しても、何とかしてもらわなければならないと思いますが、緘黙症に限らず、問題をきちんと理解して対応しようとして下さる先生やカウンセラー(場合によっては市町村の保健担当、教育委員会まで行っても)を見つけるまで、根気のいる仕事になることもある事実を、時々見聞きします。
 たとえ学校の先生や保健所、医療機関側に緘黙症についての知識があまりなかったとしても、一緒に緘黙症について勉強し、その子供の個性や状態を理解しようとする姿勢があれば、正しい情報に近づき、問題に取り組んで行く方向に向かうことは出来る筈です。要するに、きちんと「聞く耳を持ってくれること」が一番大事だと思います。「よくわからない」「ここでは出来ない」で済まされ、投げ出されることは、他の問題と同様、あってはいけないことです。

2 COMMENTS

まゆきじ

ブログを拝読して、おかあさんリスさんの的確なご意見、
冷静なご判断に賛同する一方、都度、都度で、
スムーズに運ばなかった出来事もあったことを思い出しました。

私も、担任の先生のみならず、校長先生、教頭先生、
学年主任、保健室の先生、カウンセラーの先生、
教育委員会、保健センター、医療機関…
いろいろな方と話し合いました。
親身になってくださる先生もいらっしゃれば、
それこそ取り合ってくださらない先生もいらっしゃいました。
一人一人の方は話を聞いてくださっても、
学校と保健センターとの連携など、違った機関になると
そこで止まってしまう…というケースが
今の市では多かったように思います。

ほぼ9年間、さまざまなところに行き、
そのたびに、ほっとしたり、がっくりきたり…
実際に、子供自身がいつも同じ状態ではなく、
その日によって調子が良いとき、そうでもないときなど
変化しているので、長い目で見て、
心のある付き合いをしてくださることが必要と感じています。

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学習塾経営者

個別指導の学習塾の経営をしておりますが、御ホームページで場面緘黙症の生徒さんの適切な対応勉強させて頂いております。

近頃、多かれ少なかれ場面緘黙症の症状をお持ちの生徒さんのご入塾が多くなってきました。授業中に問題を解いていると、分からなくなると固まってしまう、先生が呼びかけても反応が無い、しゃべれないというような症状が顕著です。

問題が解けないと言う事は、その解法が分からないという事で、講師はどこが分かっていないのか、生徒に確認をしていきますが、全く無反応なので、対応に窮するケースがあります。それでは、全部分かっていない可能性もあると言う事で、一通り解説をしてステップごとに表情を読み取ったり、ぽつりと話す単語を汲み取り、極力分かりやすい解説を心掛けます。

そして、改めて問題を解きますが、本人の理解不足な点と合致していないケースは再度解く事が出来ないので、また違うアプローチを探していきます。それでも生徒は意思を示したり、ノートに分からないところをチェックしたりと言う事も無いので、講師が適切なポイントを探すには、通常に指導と比べ何倍もの労力が必要です。

保護者さん自身が場面緘黙症という症状にお気づきでないケースもありますので、差し支えない内容で、こういった症状があることをお伝えします。場合によっては、専門機関での診断をお勧めしたりもしますが、うちの子に限ってというケースも多く、ご家庭と一体となって改善していくことも難しいですね。

今後も、生徒さんごとの最善なアプローチを探すたびは続いていきます。

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