3年生時代 その⑧ 病院で

 子リスは扁桃腺持ち(?)で、風邪を引くとよく高熱を出していました。
ある時、かかりつけの先生がお休みで、ちょっと大きめの病院に行くことになり、私は保険証と一緒にメモを用意しました。
診察の順番が来たら、まず私だけ診察室に入って行って先生に渡すためのメモです。それには

「この子は『場面緘黙症』で、声を出すことが難しい状態です。先生の質問に、頷いたり首を振ったりは出来ますが、それ以外は私がお答えすることになります。宜しくお願い致します。」

と書いておきました。これを先生に渡して読んでもらって、「こういうことですので、すみませんがよろしくお願いします。」と話をつけておきます。
もっと小さい頃なら、病院や歯医者さんで、子供の症状について全て親が話し、先生からの質問にも親が全部答えるのは自然なことでしたが、小学校3年生ぐらいになってくると、先生が症状について子供に直接聞くことも増え、また、子供も簡単なことには自分で答えるようになってくるのが普通なのでしょう。そこで全く声を出さずにいると、お医者様によってはとても違和感を持たれるようで、何とも居心地の悪い空間ができてしまうことがあるのです。
そこで事前のメモがあると、いざ診察となった時に、「なんでこの子喋らないの?」と言われて親子共々傷ついたり、先生をいらいらさせたり…という面倒を避けることができるので、このひと手間は役に立ちました。

これも、痛い経験が何度かあった後で始めたことです。言葉を発せず、診察を嫌がる子リスが、「君は大人の言うことが聞けないのか!?」と怒鳴られたり、「何か問題がある子どもなんだな」というように、ジロジロ観察するような目で見られたり…という経験は、とても辛いものでしたから。

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