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2006年10月 アーカイブ

2006年10月05日

先生と過ごす時間

先日のA先生との面談で、先生が週に一回、子リスと2人で過ごす時間を作って下さることになりましたが、今日はその一回目でした。子リスには、「今週から、木曜日だけママのお仕事が少し遅くなるから、放課後30分だけ学校で待っていて。先生が一緒にいてくれることになっているからね。」と話しました。2時の下校時刻の後30分、子リスは初めて、先生と2人で教室で過ごします。
2時半ぴったりに迎えに行くと、子リスは教室で先生と向かい合って、折り紙を折っていました。先生が先に私に気付いて「あっ、どうも…」と言うと、子リスはチラッとこちらを見て、それから知らんぷりで折り紙を続けています。教室に近づいて行くと、子リスは無言のまま、でもちょっと照れて嬉しそうに、折り紙で作った飴玉を私に見せました。
私:「飴を作ったの?」
子リス:(頷く)
それから先生と私が少し話をしている間、子リスはまた一枚折り紙を取って、飴玉をもう一つ作りました。何だか名残惜しそうです。
私:「じゃあ、帰ろうか。」
子リス:(頷く)
A先生:「今日はみんなでまたコマ回しをしたんです。子リスくんが、『コマを回すのを見て』と言いたそうに僕のところに来てました。」
子リス:「学校のコマはね、うちのよりヒモが長いんだよ。」

あ、喋った。

私:「何が長いの?」
子リス:(ここで、自分が声を出したことに気付いてしまったので、口の動きだけで)、“ひも。” 
私:「そうなんだ。学校のコマは木ゴマ?それとも缶ゴマ?」
子リス:”カンゴマ。”

それから子リスは、靴を履き替えに下駄箱の方へ走って行きました。
A先生:「今、喋りましたね!」
私:「喋りましたね~」

そこへ外履きに履き替えた子リスが戻って来ましたが、走っていたので、さっき作った折り紙の飴玉を落としてしまいました。

子リス:「あっ、あめだま落としちゃった!」

あ、また喋った。

まだ、自分が声を出したことに気付くとハッとして黙ってしまいますが、それでも、先生と過ごす試みの初回で、2度も「つい喋っちゃった」が出たのは驚きでした。こんな風に、無意識に喋っていたという経験が増えて行けば、きっと「自分は話せるんだ」と思えるようになるのではないかと思います。
とにかく今日は、A先生に、子リスが話す声を聞いてもらえたのが本当に嬉しいことでした。

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2006年10月17日

ぶたのまるやき

先日、A先生から、「体育の時間に『ぶたのまるやきじゃんけん』というのをやった時、子リスが初めてじゃんけんをした」、とコメントをいただきました。
今日、子リスが学校から帰ってから二人で公園に行ったのですが、そこで子リスが、「ぶたのまるやき」を見せてくれました。なるほど、こぶたのまるやきだ…。要するに鉄棒に平行に、両手両足を使ってぶら下がる形ですね。
「ママもやってごらんよ」と言うので、周りに人がいて少し恥ずかしかったのですが、私もまるやきになってみました。そして子リスとじゃんけんをしたら、私が負けました。でも楽しかったです…。

鉄棒に逆さまにぶら下がってみたら、空がとてもきれいに見えました。そして何となく、子リスが学校でもじゃんけんが出来た時の気持ちが少しわかるような気がしました。つまり、逆さまになっていると、世界が違って見えるのです!そして、頭がぼーっと気持ちよくなります。子リスももしかしたら、逆さまになることで、不安や硬くなっている気持ちがふわっと飛んだのではないでしょうか…。「ボクはじゃんけんができない」なんていうことも、忘れてしまったのかもしれません。
本当にそうかどうかわかりませんが、ちょっと面白い思いつきでした。
ひょっとして、子リスが逆立ちをしている時に話しかけたら喋ったりして…?

逆さまになることに限らず、我を忘れる時というのが大事なのかもしれません。
体を動かしている時は、頭のコントロールはイヤでも少しは鈍りますから…つまり不安を感じるヒマが減る訳ですから、体育などは本当に大切な時間なのかもしれません。

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2006年10月19日

鉄棒で「喋った!」

今日は木曜日で、子リスが放課後A先生と過ごす日でした。
いつものように、2時半頃教室に迎えに行くと、誰もいません。あれ?と辺りを見回したら、校庭からA先生が手を振っています。子リスは先生と鉄棒をしていました。
私がそばに行くと、「じゃ、練習の成果をお母さんに見せるか。」ということになって、
子リスは黙って何種類かの鉄棒を私にやって見せてくれました。

子リスが「お布団干し」というのをやった後、そのまま鉄棒にお腹で乗ったまま、膝を抱えて丸くなりました。
A先生:「あれ?それ何て言うんだっけ?ラッコ?」
子リスは黙って地面に「だるま」と書きました。
A先生:「あ、『だるま』か。」

次は逆上がり。「子リス、逆上がりやってみようよ。もう少しで出来そうなんだから。」と先生に言われて、子リスは逆上がりに挑戦しましたが、本当にあとちょっとというところで上がりきれませんでした。

私:「ホントだ!もうちょっとじゃない!」
子リス:(小さい声で)「????上がればいいの。」
私:「何が上がればいいの?」
子リス:(小さいけれど聞き取れる声で)「足がたかーく上がればいいの。」
私:「あ、そうかあ。」

そして子リスは向こうの方へ走って行きました。そのスキに
私:「先生、喋りましたね。」
A先生:「今のはわかって喋ってますね。」

一度声を出したら大丈夫と思ったのか、子リスは戻って来て、「ママ、今日も自転車の練習するの?」とか、「公園で鉄棒したい」などと、私に話し始めたのです。まだ弱々しい声ではありましたが、2週間前の様な「うっかり喋っちゃった」ではなくて、完全に、自分の声がA先生に聞こえていることをわかって話していました。
少しずつ、気持ちがほぐれて来ているように思います。
学校で場面緘黙症の子どもの声を最初に聞くのは誰か?という時、一般に担任の先生はその順番の最後であることが多い、と言われているようですが、必ずしもそうではないことがわかりました。
今日先生とも話したのですが、先生との関係によるのだと思います。それに、子リス本人が、お話してみたい人は?の問いに迷わず「A先生」と答えていたのですから。
まさにスモール・ステップですが、一つ一つ出来ることが増えて行くのは、本当に嬉しいことです。

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2006年10月23日

子リスの告白その2・「適応」ということ

この頃子リスは、自分が「話せない」ことをだいぶ意識し出したようです。
2週間ぐらい前のことですが、「ママ、ボクが学校に行ってるじかんは何時間?」と聞くので
「8時から2時か3時までだから、6時間か7時間ぐらいだよ。」と答えると、
「夜は9時間ぐらい寝てるんでしょ。じゃあ、ボクは一日のうち、16時間は黙ってるってことだ。」
と言うのです。(そうだね。でも残りの8時間は喋りっぱなし…。)
その辺りから、子リスは「学校で喋っていない」ことについて、時々私に話すようになりました。
以前、「3学期からゼッタイに喋らないとダメ!」と言っていた女の子が、「2年生からでも、いいよ」と言ってくれた、とか、算数の時間に、「みんなは手を挙げるけどボクは挙げない。だって喋れないから。その代わり、黒板に答えを書いたの。先生が連れてってくれたから。すごく小さく書いちゃった。」とか。

今夜は、ベッドに入ってから急に、「ママ、ボクは幼稚園の時には少しは喋ってたのに、どうして小学生になったら喋れなくなったのかな。」と聞いて来ました。えっ?幼稚園の時喋ってたっけ?と思っていると、
子リス:「ひとりごと、言ったりしてたよ。」
私:「あ、そうか。」
子リス:「今は言ってないよ。」

うーむ。

私: 「ねえ、学校でひとりごとを言わないのは、子リスがお兄ちゃんになったってことじゃない?」
子リス: 「なんで?」
私: 「お話は、ひとりでするんじゃなくて、誰か相手がいてするんだってわかったから、ひとりごとは言わなくなったんだと思うよ。」
子リス: 「そうかな。」
私: 「そうだよ。それに、学校でもちょっとずつ喋れるようになってるじゃない。」 
子リス: 「ママとはね。」
私: 「それでいいんだよ。大丈夫!」

と私はまた、何が大丈夫なんだか…と自分で思いながら励ましてしまいました。子リスはそれでもちょっと嬉しそうな顔で、ぎゅっと私に抱きついて来ました。それからしばらく、ぱっちりと目を開いていろいろ考えている様でしたが、そのうちに眠りに就きました。

考えてみると、幼稚園の頃の子リスは、頑なにみんなと「話さない・遊ばない」状態でした。それが小学校に入って、クラスの子ども達と一緒に鬼ごっこやドッジボールをすることが出来るようになり、「話さなくても皆と楽しく過ごせる」ところまで進歩しました。これは専門家によっては、「話さずに過ごすための適応」と見ることもある様ですが、私は、子リスがみんなに混じって遊ぶ勇気を持てたことは、間違いなく成長だと思っています。ただ矛盾するようですが、子リスがあまり「困っていない」ことは少々、気になってはいました。話さなくても何とかなる、という考えが定着してしまうのは怖い、と思ったのです。そういう意味では、最近、喋れないことを意識し出したり、悲しい気持ちになったりすることがあるのは、進歩と言えるのかもしれません。本人は辛いでしょうけれど、自分の小さな成長を感じながら、乗り越えて行って欲しいと思っています。

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2006年10月26日

子リスのほっぺ

先日、クラス懇談会があって学校に行った時のことです。懇談会が始まる前、まだ子ども達が教室に残って遊んでいたのですが、その中から、「子リス、子リス、子リス、子リス~!」と子リスの名を連呼する声が。見回してみると、一人の女の子が子リスを手招きで呼んでいます。子リスがその子の方へ近寄っていくと、その女の子は何も言わずに子リスのほっぺを両手で包み、「むにゅ~っ」と挟みました。
子リスは?と見ると、ぽーっと立ってされるがままです。嫌がるでもなく、手を外そうとするでもなく、かといって照れたり嬉しそうにするわけでもなく、特に無反応・・・というより、ごく自然な感じ。何だかどちらも可愛くて笑ってしまいました。
家に帰ってから子リスに、「今日ほっぺを “むにゅ~っ” てされてたけど、前にもあったの?」と聞いてみたら、何と、「うん、まいにち。」
私: 「えっ、毎日ほっぺをむにゅって?」
子リス: 「うん、○ちゃんも、△ちゃんも、◇ちゃんもするの。」
私: 「えっ、そうなんだ~。へえ~。」
子リス: 「なんでかなあ。でもいやじゃないよ。」(にこにこ)

確かに子リスのほっぺは、つい触りたくなるようなぷくぷくほっぺです。それに雰囲気の幼さも手伝って、クラスの女の子達は、子リスを見ていると弟のような感じがするのかもしれません。私はとても嬉しくなりました。それから、あの子リスの反応の無防備さも、何だかとても貴重なものに感じました。
学校という「場面」に対して、不安や緊張感があるために「喋れない」状態になっているのでしょうけれど、それでも、クラスのお友達に対して、こんなに無防備でいられるなんて、いいなあ、と思ったのです。子リスに限らず、これぐらいの年齢の子ども達の、お互いに対する無防備さ・相手を受け入れる気持ちが、ずっとずっと続いたらいいのに…と思わずにはいられません。

子リスのほっぺは、いつまでぷくぷくなのでしょう…。それから、夜中に「うーん…」と目が覚めかけた時、ほっぺを私の手で包んでやると、安心したようにすーっと眠るのはいつまでなのかしら…と、私はいつも思いながら、子リスの寝顔を眺めています。(今日は怒り過ぎちゃったなあ、と反省しながら。)

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