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2006年11月 アーカイブ

2006年11月05日

遠足

先週、子リスたち一年生の遠足がありました。子リスは風邪を引いて前々日まで熱があり、参加出来なかったらどうしよう…と私は心配していたのですが、子リスは遠足に行きたい一心で熱を下げ、元気に出かけて行きました。だって行き先は、動物園なのです…。

実は子リスは、動物マニアです。周りの話を聞くと、どうやら男の子は、いろいろなものに関してマニアックになる傾向があるようです。その対象は電車だったり車だったり、虫だったり…と様々なようですが、子リスの場合は動物です。年に3回~4回は動物園・水族館に連れて行かされますが、一旦入園したら最後、「鳥はオモシロクないからとばして、早くパンダやゾウを見に行こうよ~」なんていうことは許されません。子リスは全ての動物を一つ残らず、じ~っくり見て回るのです。だから結局いつも、開園時間から閉園時間までいることになり、帰る頃には親はヘトヘト、子リスは何故かまだ元気で、「あんな動物がいたね~」と喋りまくっている、という状態です。
だから、遠足の行き先が動物園と知った時の子リスの喜び様は、タイヘンなものでした。しかも、そこは子リスがまだ一度も行ったことのない動物園です。

ところで、その動物園には、子リスが苦手な動物がいます。それは…マンドリル。
鼻が濃いピンクで、頬が水色の、ユニークな顔をしたあのサルです。子リスは2歳の時に初めてそれを見て「こわい~!」と泣いて以来、マンドリルだけは見られないのです。
実は私は、今回子リスたちが行く動物公園にマンドリルがいることを、前から知っていました。でも子リスには内緒にしておきました。だってそんなことを言ったら、例によってその日から毎日、
「マンドリルのオリのところはどうする?」「目をつむったらあるけないよ」「見ないようにしても、鳴き声が聞こえたらどうする?」「マンドリルがどこにいるかわからないのに、いつ目をつむったらいいの?」
とか何とか、私の後を追いかけながら心配し続けるに決まっているからです。それではせっかくの、遠足が楽しみな気分が台無しになってしまいます。(それに何より、私が疲れます…。)

どうなったかな?と思いながら待っていると、子リスが元気に帰って来ました。開口一番、
子リス: 「ママー、マンドリルがいた!」
私: 「えーっ、ウソー。」
私はあくまで知らない振り。

私: 「子リス、マンドリル見たの?」
子リス: 「うん。だってA先生、止まっちゃうんだもん。」
私: 「え?」
子リス: 「先生、『うわ~、すごいかお!』って言って、ずーっと見てるんだもん。A先生が先頭だから、ボクたちも止まってるでしょ、マンドリルの前で。仕方ないから、みたよ、マンドリル。」
と子リスは照れ笑いをしていました。

その時の状況を想像したら、笑ってしまいました。
A先生がマンドリルの顔に感心して「動かなくなっちゃった」お陰で、子リスは再びマンドリルを見ることが出来るようになった訳です。童心に帰って下さった(?)A先生に感謝です!

今回は「マンドリルを見る」という、かなり特殊なことでしたが、もっと日常的なことに関しても、逃げ場がなかったので出来てしまった、ということが時々、あります。
話すことに限らず、これから起こる色々なことに対して不安や恐怖を持ちやすいのは、場面緘黙症の特徴の一つと言われているようですが、子リスもまさにそういう性格です。
子リスがもっと小さい時は、予想外のことが起こるとすぐにパニック状態になっていました。だからそれを避けるために、いつもと違うことをする時は特に、これからの成り行きを予め言い聞かせ、心の準備をさせていました。でも少しずつ大きくなって来るに従って、これから起こることを前もって知ることで、かえって想像が膨らみ、不安が増してしまうことが多くなって来たのです。そして逆に、不安を感じるヒマがなくてうまく行った、という経験が増えて来ました。

心の準備をさせる時と、敢えて何も教えずに場面に飛び込ませる時。きっと状況によって、両方必要なことなのだと思います。でもどちらにしても、結局は本人の「よしっ」という気持ち一つなのだろうと思うと、親としても、“陰ながら”応援するしかないので、せめて、出来ても出来なくても受け止めてやれる気持ちだけ、持っていたいなあ…と思います。

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2006年11月12日

11月10日にメールを下さった方へのお返事

11月10日に、メールを下さった方へのお返事です。
メールを返信しようとしたのですが、送れずに戻ってきてしまいました。それで、ここにお返事を書きたいと思います。このブログを読んで下さっていることを願っています!!!

いただいたメールの中に、「診察してくれるのは小児科ですか?」というご質問がありましたので…

メールありがとうございます!
ブログを読んでご連絡下さったこと、とても嬉しいです。

本当に、息子さんとうちの子リスは、同じような幼稚園時代を過ごしたようですね。
きっと親である私達も、いろいろな場面で同じとまどいを覚えながら過ごしてきたのではないかと思います。

まず、息子さんが場面緘黙症であるかどうかということですが、
診断してくれるのは、子どものメンタルヘルスを扱うクリニックなどが主な場所になると思います。
子リスの場合は、そのようなクリニックに連れて行こうかと考え始めた矢先、市の家庭児童相談員さんを紹介して下さる方がいて、まずその方に私だけが会いに行きました。そして、今までの経過や現状などをお話しした後、何度か面談をしていただいているところです。(その方と私だけ・または学校の担任の先生も一緒に)
息子さんは、学校でお友達と遊ぶ時にはお話していらっしゃるのですね。学校でリラックス出来る時間があるのは、とてもいいことですよね!子リスの場合は、お友達とも一言も喋ったことがないのですが、それでも、お友達の輪の中にいるのは大好きなようです。場面緘黙症の子どもの様子は一人一人違っていて、子リスのように全く(家族以外の)誰とも話さない子どもも、特定の数人とだけは話す子どもも含まれているようですが、「場面緘黙症」というくくりに入る・入らないということよりも、「集団生活を送る上で困難があったり、それによって子どもが萎縮したり悩んだりしているかどうか」、ということ自体に取り組むことが大切かな、と考えています。

小児科の先生で、場面緘黙症について詳しい人を探すのは結構難しいようです。場面緘黙症は「情緒障害」にあたるため、それを治療対象とするのは、子どもも扱っている心療内科などが中心です。
ただ、そうは言っても日本ではまだ、心療内科でさえ、「場面緘黙症」はあまりよく知られているものとは言えないようなのです。
そういう現状の中で、はじめにどこに相談に行くか、というのは難しい選択ですよね。
児童相談所や、市・町・村の保健センターのようなところから始めるのがいいのではないかと、私は思っています。病院での治療が必要でない場合もありますので…。

大きく分けて、場面緘黙症の治療には、2種類の流れがあると、私は理解しています。
一つは、メンタルクリニックなどの、専門治療機関に通い、セラピーを受けること。低学年の子どもの場合は、遊戯療法や絵画療法が中心となるようです。
もう一つは、学校と親との連携で、学校で出来るいろいろな工夫を重ねることで治療していくこと。
子リスに対しては今、後者のアプローチを取っています。(本人は何も知りませんが。)例えば、担任の先生と私が、毎月面談を持ち、様子を報告しあう・クラスの中の座席の位置を工夫してもらう・算数の時間、言葉での発表は出来ないので、黒板に答えを書かせてもらう、などのことをしています。いずれにしても、先生に「場面緘黙症」をよく理解してもらい、協力してもらうことが不可欠です。
また、いま2つの流れがあると書きましたが、これを組み合わせることも勿論、出来ます。
それから、いわゆる治療機関ではないけれど、「ことばの学級」という、通級制度を利用する方法もあります。

何だかいろいろと書いてしまいましたが、まず今の段階では、
1、担任の先生に、場面緘黙症の可能性を話し、理解を得ること。それには、場面緘黙症についてまとめた資料があると便利です。場面緘黙症Journalというサイトがあるのですが、ご存知でしょうか?そちらを管理していらっしゃる方と、有志の方々で作成した資料がとても分かり易く、おすすめです。その資料は現在No.1からNo.7まであって、全てプリントアウトできます。私は全部プリントアウトして、担任の先生と、市の家庭児童相談員さんに渡しています。
特に、学校配布用としてまとめてあるのは、No.3です。

2.児童相談所や保健所などに相談に行くこと。

の2つが大事ではないかと思います。

あれこれ沢山書いてしまって、混乱させてしまったら申し訳ありません。
息子が場面緘黙症ではないかと思った時から、あちらこちらに相談したり調べたりしてきた中で、ようやく、何となく理解できた分の情報をお伝えさせていただきました。
もし、何か疑問があって、私でわかりそうなことがあれば、いつでもメールを下さい。私もまだまだ疑問だらけですが、一緒に考えて行けたら嬉しいです。また息子さんのことも教えてくださいね。
よろしくお願いします。こちらこそ、長々とすみませんでした。

おかあさんリス

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2006年11月18日

手を挙げる

少し前のことですが、夕方、子リスの担任のA先生から電話がありました。

「実はですね、今日算数の時間に、子リスくんが急に手を挙げたんですよ。」
「えーっ、ホントですか!?」
私はびっくりしてしまいました。先生の話では、
算数の時間、足し算の問題を先生が次々に出していって、子ども達が手を挙げて答えていた時、子リスが突然、手を挙げたのだそうです。先生が内心びっくりしながら、子リスに「やってみる?」と言うと、子リスは思いっきり首をヨコに振ったそうです。
そして次の問題。子リスは今度は手を挙げなかったので、
A先生: 「いつも当てるとは限らないから、わかったら手を挙げてごらん。」
子リス: (首をヨコにふる。)
A先生: 「じゃあ、当てないから。当てないから、わかったら手を挙げてごらん。」

子リスはそれで安心して、問題が分かった時には手を挙げるようになったのだそうです!
「当てないから手を挙げて」というのは面白い話ですが、そのお陰で子リスには、黒板に答えを書くことの他にもう一つ、授業に参加する方法が増えたのです。それは子リスにとって、とても嬉しいことに違いありません。その証拠に、先生からの電話の後、子リスに誘導尋問をしたところ…

私: 「算数の時、黒板に答えを書くの、やってる?」
子リス: 「うん。先生が黒板のところに連れて行ってくれたよ。」
私: 「そうかあ、よかったねえ。でも、もし子リスが分からない問題だったら困るねえ。」
子リス: 「だって、分かった時は手を挙げるもん。」
私: 「えーっ、子リス、手を挙げるのォ!?」(勿論、驚いた振り。)
子リス: 「だって、先生が、『当てないから、分かったら手を挙げてみて。』って
   言ったから。」
私: 「そうなの!?どんな風に手を挙げるの?」
子リス: 「こうやって。ピッって挙げるんだよ。」

と、立派に高ーく、手を挙げて見せてくれました。

それにしても、最初に手を挙げたのはどういう心境の変化だったのでしょう!?
電話の中でA先生は、「最初、本当に急に手を挙げたので、お家でお母さんと約束したとか、そういうことがあったのかな、と思いました。」とおっしゃっていました。でも実際、家では、手を挙げることに関して何も話をしていません。私がそう言うと、

A先生: 「そうですか。じゃあ、子リス君は自分で頑張ろうとしてるんでしょうか。」
私: 「そうなんでしょうかねえ…」
A先生: 「あ、あと、子リスくんの隣の席のYちゃんが、『手、挙げてみ。』って
  言ってたような…」
私: 「あっ、それですね、きっと。」

今回隣の席になったYちゃんは、まだ一年生ながらもアネゴ肌で、子リスをよく守ってくれる(ありがたい限りです…)女の子です。Yちゃんの隣になったことを、子リスはことのほか喜んでいましたから、ひょっとすると、「Yちゃんがそこまで言うのなら…」と頑張って手を挙げた、というのは考えられます。
まあ、理由は何であれ、子リスが、「手を挙げてみようか」という気になったことは、大きな変化です。

「出来ないことが多い」ことには、「出来るようになった」と喜ぶ機会も多い、というボーナスがありますネ。

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2006年11月20日

A先生との面談(6回目)

先日、A先生との6回目の面談がありました。その日は学校公開日で午前中に授業参観があり、その午後の面談でした。授業参観での子リスの様子について話したり、今後の作戦を考えたりしました。

1.授業参観での様子
国語:子ども達が全員で立って大きな輪になり、教科書のお話を音読しました。班ごとに分担が決まっていて、掛け合いのような形で読むため、子ども達はとても楽しそうに、大きな声で生き生きと読んでいました。この雰囲気につられて、子リスも「うっかり」声を出しちゃったりしないかな?と少し期待して見ていましたが、残念ながらそれはなく、ちょっと所在なさそうに立っていました。

算数:繰り上がりのある足し算の授業でした。「7+7はどうやって考えるんだっけ?」という先生の問いに、みんな「ハーイ!」「ハーイ!」と手を挙げています。当てられた子は前に出て、計算の仕方を説明することになっていたので、子リスはさすがに手を挙げません。
計算の仕方を一通り復習した後、今度は自分で計算問題を作って自分で解いていく作業になりました。先生が子ども達に、4から9までの目のついたサイコロを一つずつ配り、それを2度転がして問題を作る(つまり、もし5と8が出たら、5+8=?という問題を作る)というやり方を説明して、
「やり方が分かった人!?」と聞くと、みんな「ハーイ!」と手を挙げました。
子リスは?おっ!高々と手を挙げています!そして、「ホラ、手、挙げてるでしょ?」と言いたげに、チラッ、チラッと後ろにいる私の方を見ていました。ホントだ、ホントだ。ちゃんと挙げられるんだねえ!

実は前の日、A先生と子リスは、「お母さんに手を挙げるのを見せてあげよう」と約束していたのだそうです。子リスが手を挙げている姿は、何だかとても小学生らしくて、感激してしまいました。

2.これから
週に一度の「先生との時間」が、いい調子で進んでいると思う、ということを確認しました。
子リスはいつも「先生との時間」を、校庭で先生と2人で鉄棒をしたり、何となく先生の周りを走り回ったりして過ごしているようです。その間、先生が何か子リスに質問したりすると、子リスは地面に石で字を書いて答えているということでした。そうしているうちに私が迎えに現れるわけですが、私の顔を見ると子リスは、やはり「つい」心がほぐれるらしく、声を出し始めます。
子リスが初めて先生の前で私と喋ったのは10月の末でしたが、それから回を重ねるに連れて、先生の前で(私と)話す時の声量や頻度も、少しずつ上がって来たように思います。

そこで、今後の作戦。
A先生の案:私が迎えに行った後、先生と子リスと私は、いつも何となく三角形に立っているので、今度は先生と私が並ぶようにしてみる。そうすれば子リスは私と話す時には、先生とも向き合うことになるので、これが一つの進歩になるかもしれない。

私の案:私が迎えに行った後、もう一度私がちょっとその場を離れてみる。一度私の顔を見てほっとした後なので、何か変化があるかも知れない。

物凄く細かい作戦ですが、子リスを見ていると、状況の些細な変化で緊張したりリラックスしたりしているのが事実です。何が子リスの気持ちに作用するかわからないのだから、この際いろいろやってみなくちゃ、と思います。スモール・ステップということ、いつも実感させられます。

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2006年11月22日

先生に答えた?

「先生との時間」も6回目になりました。
今日も鉄棒をしているのかな?と思いながら迎えに行くと、あれ?校庭にいません。教室を覗いてみると…何と子リスは、先生と並んでピアノを弾いていました!ニコニコしてとても楽しそうです。あまりにもいい笑顔なので、ちょっと隠れて様子を見ていましたが、すぐに子リスに見つかってしまいました。そして子リスは、私を見つけると急に照れて、ピアノの下に隠れてしまいました。

私: 「今日はピアノを弾いてたんですね!」
A先生: 「そうなんです。初めてです。女の子達が、『子リス~、ピアノ習ってるんでしょ?弾いてみて~』って言っても、絶対弾かないんですよ。でも今日は弾いてくれました!」

今日は私は、写真を持って来ていました。週末に子リスと二人で、先日子リスたちが遠足で行った動物園に行って来たのですが、その時に撮った写真を急いで現像して持って来たのです。(子リスは遠足以来ずっと、「遠足はとても楽しかったんだけど、もっとじっくり動物を見たかった」と訴えていて、実は動物園好きの私はつい乗せられ、「よし、行くか!」と出掛けたのでした。そして当然、閉園時間までじ~っくりと、動物達を見てきました。とても楽しい一日でした。)
私が、持ってきた写真を出して「子リス、ホラ、見て見て。いいもの持って来たよ。」
と言うと、子リスはやっとピアノの下から顔を出しました。そして私が写真を持っているのを見ると嬉しそうに、「写真、もうできたの!?」とこちらへやって来ました。
これでいつものように、先生・私・子リスの空間が出来ました。先日の面談で申し合わせた作戦開始です。写真を見ながら、何気なく、先生と私が並んで子リスと向き合うような形に立ちます。

A先生: 「えっ?これ、この間の動物園?行って来たんですか!?」
私: 「そうなんです…。動物を見足りなかったと言うもので、復習の旅に行って来ました!」
A先生: 「へえ~!子リス、動物たくさん見てきた?」
子リス: (頷く)
私: 「子リス、よかったねえ、A先生のお陰でマンドリルが見られるようになって。」
子リス: (私に向かって)「何で写真まで撮っちゃったの?」
私: 「そうなんです、見てください、マンドリルとツーショットを撮って来ました。」
A先生: 「あっ、ホントだ。すごい! …あれ、この動物は何?」
子リス: (答えたそうな様子。でも無言)
私: 「何だっけ、これ?ヒョウ?」
子リス: (私に向かって) 「ジャガーだよ。」
A先生: 「ジャガーかあ。」

段々話が盛り上がって来ました。何と言っても、動物園の話です。お相撲と並んで、子リスが一番好きな話題なのですから、話したくて仕方がない筈なのです。少しずつ、私に向かって話す子リスの声も大きくなって来ました。そして、ふとA先生が、

「子リスは動物園と水族館ではどっちが好きなの?」と聞いた時、子リスは
「動物園!」と先生に向かって答え、あっ、と思ったのか私の方に向き直ってから、
「だよ…。」と言い足しました。でも、そこで私は反応せず、先生がすかさず
「そっかー、動物園の方が好きなんだー。」と受けて下さったので、これは子リスがどう取り繕おうと、子リスと先生の会話は成立です!(?)

「ついうっかり答えちゃった」、という感じでしたが、子リスが先生の前で私と喋るようになったのも、「ついうっかり」から始まったのです。だから今日の「うっかり」も、先生と直接話をするきっかけになってくれることを願っています。


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