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2006年12月 アーカイブ

2006年12月06日

帰り途

先々週のことですが・・・
私は用事があって、子リスの学校に行きました。丁度一年生は下校時で、子ども達は教室から出て、いつもの下校班を作って帰ろうとしているところでした。私の用事は思ったよりすぐに済みました。外に出てみると、一年生達はまだ校庭で何となくぽやぽやしています。それで私は子リスに、
「子リス、お友達と一緒に帰りたいでしょ?ママは先に帰ってるから、皆と一緒に帰っておいで。」
と言いました。
子リスも、それならそうしようか、という様な雰囲気だったので、私は「じゃあね」と小走りに帰り始めたのですが、ふと振り返ると、子リスの下校班の子ども達(4人+子リス)が私について来ています。

A君: 「ねーねー、子リスのおかあさん、子リスはお家では喋ってるの?」
この質問にも、大分慣れました。
以前の私は、これを聞かれると、子ども達が無邪気な分ぐっと胸にこたえて、顔がひきつったりしていたものですが、何度も同じことがあるので、段々答え方を覚えて来ました。

私: 「喋ってるよ。うるさいんだよ~、家では。」
B君: 「えーっ、何て言うの?『あ』とか、言うの?」
(これもよく聞かれる質問です。)

私: 「○○君は、お家で『うるさい!』って言われることある?」
B君: 「あるよ。」
私: 「じゃあねえ、きっと○○君と同じぐらい喋ってるよ。」
B君: 「へえ~。子リスね、学校では全然喋らないんだよ。」
私: 「そうなの~。」
B君: 「なんで学校では喋んないの?」
私: 「何でかなあ。でも、そのうち、喋るからね。待っててね。」
B君: 「うん!」

ここで話題を変えて、
私: 「今日は持久走大会の練習をしたんでしょ?」
子ども達: 「した、した!競技場で走ったんだよ!」
私: 「へえ~、すごいね。何週したの?」

子ども達は、「何週だっけ?」「2週?」「ちがうよー。」などと言い合っています。その時、それまで黙っていた子リスが、私の上着の裾を引っ張って、小さ~い声で、
「1週半…。」
子ども達: 「あ、子リスしゃべった…。」

子リスは、今日初めて競技場のトラックで練習をしたことを「お家に帰ったらママに教えてあげよう!」と思っていたに違いありません。それが、お友達に先に報告されそうになって来たものだから、ヤキモキしながら話を聞いていたのでしょう。そしてついにたまらなくなり、不本意ながらも(?)声を出したのかも知れません。でも、お友達に聞かれないぐらい小さい声をだしたつもりだったのでしょうけれど、みんなはシッカリと、子リスの声を聞いていました。
子ども達は、初めて子リスが言葉を話すのを聞いて、一瞬驚いて目を丸くしていましたが(その時の子ども達は、何だかとても可愛く見えました。)、とても嬉しそうでした。

それから子ども達は、いつもの様に「子リス~」と言って手でほっぺをむにゅ~っと挟んでみたり、子リスにいろいろ話しかけたりし始めました。

C君: 「じゃあさ、子リス、1+1は?」
子リス: (手で『2』と出す)
C君: 「じゃあ、3+5は?」
子リス: (手で『8』)
C君: 「じゃあ、99+158は?」
子リス: (首をかしげる)
C君: 「・・・」
キミだってわかんないでしょうが。

子リスはとても楽しそうでした。
そんな子リスの様子を見て、私もとても優しい気持ちになれました。
少しずつ、少しずつでも、お友達との世界が出来て行くことを願っています。

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2006年12月12日

ママに話してくれて…

子リスが年長の時、幼稚園で、CAPのワークショップが開かれたことがありました。
(CAP=Child Assault Prevention=子どもへの暴力防止プログラム)
子どもが、怖い目に会ったり、大人から嫌なことをされた時の、親としての対処法などについて知ることが出来て、とても勉強になりました。
そのワークショップの中で、隣同士でペアになり、一人は子ども役、もう一人は親の役で、子どもが幼稚園であった嫌なことを打ち明ける、というロールプレイをする時間がありました。私はたまたま、幼稚園の主任のK先生の隣にいたので、まずは私が子ども、K先生がお母さん、という役でやってみました。

私: 「お母さん、幼稚園でお友達が、ボクのこと『バカ』って何回も言うんだよ。」
K先生: 「『バカ』って言うの?そう、いやだったのね?」
私: 「うん。」
K先生: 「そうよねえ。お母さんに話してくれてありがとうね」
私: 「うん。」

芸のない私…。それ以上会話が続かず、先生と吹き出してしまいました。その後K先生が、
「『話してくれてありがとう』って言うことって、ほんとに大事なのよ。」と教えて下さいました。
困ったことを打ち明けて来た子どもに、「○○ちゃん、先生にお話してくれてありがとう」と言うと、ぱっとその子の顔が明るくなる、というのです。
ロールプレイの後、CAPの指導員の方からも、子どもが嫌な経験を打ち明けて来た時は、まず、話してくれたこと自体を評価し、受け止めることが大切である、というお話がありました。
嫌な経験を打ち明けることって、子どもにとっては想像以上に難しいことなのかもしれません。

子リスが、話せなくて辛い思いをしたことについて私に打ち明けて来た時に、私も2度ほど、「そういうお話、ママに話してくれてありがとうね。」と言ったことがあります。すると子リスは、えっ、とびっくりしたような、意外そうな顔をした後、安心したように、「ママ、ボクがこういうお話すると嬉しい?」と聞いてきました。私が、「嬉しいよ。楽しかったことでも、イヤだったことでも、何でもお話してくれたらママは嬉しいよ。何でも聞きたいもん。」と言うと、とても嬉しそうにニコーッと笑ったのです。
その時に、K先生のおっしゃったことがわかったような気がしました。

「話してくれてありがとう」、と言うことは、単なる受け答えの技術ではないことを感じます。
楽しかったことやよく出来たことだけでなく、イヤだったこと、自分がみじめだったことも話していいんだ、と子どもが思うことによって、できるだけのびのびと過ごすことが出来たらいいなあ、と思います。

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