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お返事は…

入学式が終わり、一年生と保護者は各クラスに分かれて入りました。
1年1組の教室で、子ども達がA先生を見つめています。

A先生: 「みんなに会えるのを、先生はとっても楽しみにしていました。」
子ども達: (ニコニコ)
A先生: 「今日はね、先生の他にもう一人、みんなに会えるのを楽しみにしていた人がいるんだよ。」
子ども達: (だれ?だれ?)
えっ、誰なんだろう?と父兄もザワザワ。
すると教壇の机の下から、ジャーン、と、パンダ(パペット)が出て来ました。子ども達は大喜びです。子リスも喜んでニコニコしています。子リスもこういうのが大好きなのです。
ひとしきりパンダで遊んだ後、いよいよ、一人一人名前を呼ばれる時が来ました。
卒園式では、おへんじしようと思っていたけれど出来なかった。でも小学校に行ったら出来る。誰に言われた訳でもないのに、子リスは自分でそう決めていました。新しい先生、新しい友達。子リスが幼稚園で喋れなかったことを知っている人はここには誰もいません。新しいスタートを切るチャンスです。
A先生は、名前を呼ぶとその子のそばまで行って、一人一人と握手をするのでした。これなら大丈夫かも知れない!うんと小さい声でいいから「ハイ」って言ってごらん…。1回言ったらきっともう大丈夫だから。

A先生: 「子リスくん!」
子リス: (・・・)
言えませんでした。でもA先生は優しく子リスの手を取って握手をして、頭を撫でてくれました。
子ども達は、興奮して段々声が大きくなって行きます。反対に、子リスは段々小さくなって行きます。後ろから見ていたら、座っている子リスの姿勢が段々低くなっていくのです。「またできなかったなー」と思っているのでしょうか。
やがて教室での時間も終わりました。
A先生:「じゃあ来週から、元気に学校に来てください。さようなら!」
子ども達:「さようなら!!」
解散になるや否や、私はA先生を捕まえて、
「先生、なるべく近いうちに時間をとっていただけますか」と言っていました。