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小学校生活が始まって…

A先生は、翌週すぐに面談の時間を作って下さいました。そこで私は、子リスの幼稚園での様子やもともとの性格などをお話して、これからのことをお願いしました。先生はじっくりと話を聞いて下さり、私は何よりもそのことに、とてもほっとしました。子リスという子どもを、既成のタイプにはめて納得しようとするのではなく、私の話をそのまま受け止めて理解しようとしているのが感じられたのです。それはA先生の若さのせいだけではないような気がしました。
まだこの時点では、私は「場面緘黙症」という言葉も知らずにいました。
振り返ってみれば、子リスが家族以外の人と話をしないことに気付いたのは、幼稚園に入園した、4歳の頃でした。でもその時は、何と言っても初めての集団生活、多少緊張するのは仕方がない、としか思っていませんでした。周りの人達からは、「そのうち慣れて喋るようになるよ。」「大人になっても喋らない人はいないから。」「小学校に入れば喋り出すわよ。」と励まされ、そして母親である私も、「私だって相当おとなしくて引っ込み思案な子どもだったけど、今は普通に社会生活を送っている。だから子リスだってそのうち…。」と自分に言い聞かせながら様子を見て来たのです。

ところが小学校に入って数ヶ月経っても、子リスは一向に喋り出しません。幼稚園に引き続き、朝出席を取る時の「ハイ」という返事が出来ず、国語の音読も勿論学校では出来ません。友達に話しかけられても、首で返事をするばかり。更に子リスには、人前で服を脱げないという性癖もあり、水着でプールに入ることや、健康診断で上半身裸になるということも出来ません。流石にこれは何か問題があるのでは…?と心配が心を掠め始めた頃、幼稚園からの子リスのお友達N君のお母さん(日記に時々登場する“マリーさん”です)が、一冊の本を貸してくれました。それが、私が場面緘黙症を理解する基礎になった、Helping Your Child with Selective Mutism という本だったのです。(マリーさんは以前、幼稚園の先生をしていて、子リスと同じ状態のお子さんを受け持ったことがあったのだそうです。)