« 2.幼稚園時代 | 最初に戻る | 子リス脱走する »

入園

1年の猶予の後、4歳になった子リスは晴れて幼稚園に入園しました。
入園前は、ぬいぐるみを相手に幼稚園ごっこをしたりして、希望に胸を膨らませていた様でした。そしてやって来た入園式。子リスには、幼稚園に入ることが決まった時から、「幼稚園というのは、パパやママは送っていくけれど、後は先生やお友達と過ごすところなんだよ」と何度か言い聞かせてありました。というのは、遥か昔、私が幼稚園の初日を迎えた時、「じゃあね。」と私を置いて去って行く母の後ろ姿を見て、「ママと離れるなんて聞いてなかったよ~!」とパニックに陥り、泣き叫んだ苦い経験があるからなのです。そんな訳で、前もって事情を聞かされていた子リスは、幼稚園に着いて、夫と私だけが先に入園式会場に入って行く時も泣き出したりせず、少し不安そうな顔で、先生と一緒に私達に手を振っていました。「大丈夫かも…。」
しかし!入園式がすすむにつれ、保護者席から少しだけ見えていた子リスの横顔が…あれ、泣いてる。あーあ、だんだん大泣きになって…先生の膝に抱っこされてる…。こんなに長い時間私や夫から離れて、知らない人達の中にいたのは初めてでしたから、まあ無理もありません。やがて入園式が終わり、入園生達とその保護者はみんな、それぞれ教室に入りました。

担任の先生はF先生。24歳(当時)のかわいらしい先生です。
F先生: 「じゃあ、みんなのお名前呼ぼうか。お名前呼ばれたらどうしよう?」
園児1: 「『ハイ』っておへんじする。」
F先生: 「そうだね。じゃあ、手を挙げて『ハイ』って言えるかな?」

子リス以外の園児達は、頷いています。しかし子リスはここで、「そんなのトンデモナイです」と言わんばかりの様子で、思い切り首をヨコに振りました。それに素早く気付いたF先生は、

F先生: 「もし言えなかったら、『ここにいるよ』って、おててを挙げて教えてくれるかな?」
子リス: (『それなら、できる』という様に頷く。)
F先生: 「じゃあ…最初は…Nくん!」
N君: 「 ハイッ!」
子リス: (『えっ、そんなにりっぱにおへんじしちゃうの!』という感じでN君を見る。)
ちなみにこのN君は、卒園した今でも子リスにとって一番のお友達です。

何人かが呼ばれて、みんな元気にお返事をした後、
F先生: 「子リスくん!」
子リス: (膝の上においた手を、そのままちょこん、と上を向けました。)
F先生: 「はい、わかったよ。」
子リス: (ほっとした様子)

こうして、子リスの幼稚園生活が始まりました。