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検査

病院での検査には、ありとあらゆることが含まれていました。胸部に出来ている腫瘍が、どこか他の場所に出来た腫瘍の転移である可能性を否定するためのものです、と説明されました。エコー・大腸検査・レントゲン・CT、と終わって、最後は胸部のMRIでした。その日で、病院に行くのは3回目でしたが、検査は3時間もかかるという話でした。子リスと離れる時間としては、だいぶ長い方です。病院の駐車場で、私は夫に「じゃあ、行ってきます。子リスのこと、お願いね。」と言い、子リスには、「いい子で待っててね」と言って、病院に入りました。それから間もなく、雨が降り出しました。いつもなら、近くの公園でぶらんこに乗ったり、ボールで遊んだり出来るのですが、今日はそれが出来ません。でも、こんなこともあろうかと、ちゃんと子リスのおもちゃやおやつも持って来ていました。夫と子リスは車の中で、音楽を聞いたり、持っていったおもちゃで遊んだり、ビスケットを食べたりして過ごしました。子リスも、あまり車の中で遊んだことはなかったので大喜び。前の座席と後ろの座席を行ったり来たりしながら、パパといい子で遊んでいたのだそうですが…。
流石に車の中で3時間は、10ヶ月の赤ちゃんには無理でした。(大人にだって辛いことですが。)遊びに飽きた子リスは、だんだんぐずり出し、泣いて暴れ、しまいには疲れ果てて、座席の背もたれに顔をつけてしゃくり上げながら、それでも眠れずにいたのだそうです。そんな日に限って外はどしゃ降り、傘をさして連れ出すことも出来ません。途方に暮れた夫は、抱っこしたりなだめたり、時々怒ったり、とにかく手を尽くして時間が過ぎるのを待ちました。
ようやく検査が終わって車に戻って見ると、子リスが泣きはらした顔で、私の方へ腕を伸ばして来ました。私はすぐに子リスを抱っこして、そして夫を見ると、こちらも戦いが済んだという顔です。「最初は『なんで泣き止まないんだよ』と思ってイライラしてたんだよ。でも、子リスは本当に辛いんだろうな、と思ったら、急にかわいそうになって…」本当に大変な時間だったことは、想像に難くありません。あの日のことは、今思っても頭が下がります。

子リスを抱っこした私は、何はともあれおっぱいを飲ませました。しばらく飲んで、お腹も気持ちも落ち着いた子リスは、私の膝にちょこんと乗ったまま、私の顔を小さい手で触っています。私は、「ママが帰って来ないと思って泣いてたの?」と聞いてみました。子リスは私の顔をじーっと見ています。
「ママは子リスを置いてどこかに行っちゃったりしないんだよ。どこかに行っても、必ず戻ってくるからね。」
すると子リスが、“ウン、わかったよ”とでも言うように、にこーっと笑ったのです。
まだちゃんと言葉を話せない赤ちゃんだけれど、私の話は子リスにしっかり通じたと、この時感じました。