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あさって

手術の日とその後2日間は、私は痛みと苦しさで、正直なところあまり子リスの心配をする余裕がありませんでした。その間子リスは、「ママのとこ行く~」と泣くことはあっても、おっぱいをねだることは一度もありませんでした。朝、ホテルから病院に来ると、私の枕元にやって来て、思いきりアップで私の顔を覗き込みながら「あしゃって(明後日)飲めるのねー。」と確認します。私が頷くと、自分でもウン、ウン、と頷いて、納得している様でした。やっぱり、カレンダーの話を分かっていたんだ…。小さくても、ちゃんと話せば分かるんだ…と、私は子リスの様子にすっかり感心してしまいました。

4日目の朝、漸く主治医の先生の許可が出て、授乳を再開出来ることになりました。その朝も子リスは、元気に私の枕元にやって来ました。そして、
「あしゃって飲めるのねー。」
「もう『あさって』になったよ。」と言うと、子リスは「え?」という顔で私を見ています。私がもう一度、「今日が『あさって』だよ。パイパイ、飲んでいいよ。」と言うと、子リスは「ママはこう言ってるけど?」という様に、そばにいた夫と私の母の方を見ました。2人に、「いいんだよ。よく我慢したね。いっぱい飲みなさい。」と言われて、子リスはちょっと恥ずかしそうに、私にくっついて来ました。
私がパジャマをめくっておっぱいを出すと、恐る恐る口に入れ、まだ「ホントに飲んでいいの?」と確かめるように上目遣いで私を見ながら、遠慮がちに飲み始めました。そして少し飲んだ後、ぱっとおっぱいを離して、私の顔をじーっと見ていました。本当に子リスは3日間、よく我慢したものです。
3日振りのパイパイ・タイムは、私にとってもほーっと一息つくような、穏やかな時間でした。