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後姿

さて、授乳を再開しても、まだ術後の痛みはかなり残っていて、とても子リスと一緒に眠れるような状態ではありませんでした。それで夜になると、子リスはホテルに帰ります。一度おっぱいを飲んだから、私から離れたがらないのではないか、と心配していたのですが、意外にも子リスは、「じゃあね、ママ、バイバイ。」とあっさり私に手を振りました。夫もこの頃にはだいぶ疲れとストレスが溜まって来ていて、もう一刻も早くホテルに戻ってシャワーを浴びて寝たい、という様子が見えています。
「子リス、行くぞ。」とトランクを持ち(殆ど毎日、ホテルから病室まで、子リスのものが入ったトランクを運んでいたのです。)病室を出て行きます。子リスは夫を手伝って、自分より大きなトランクを一生懸命押しています。
私は病室の戸のところで二人を見送りながら、急に寂しくなって涙が出てしまいました。痛みがひどかった時は寂しさを感じる余裕がなかったけれど、少し回復して来たものだから、あれこれ思ってしまうのです。「ママといたい~」「パイパイ~!」と駄々をこねるかと思ったのに、あんなにきっぱりと、後ろも振り返らずに行くなんて。
私はあの時の、トランクを押す子リスの後姿が忘れられません。初めて、我が子の成長を寂しく思った瞬間だったのかもしれません。

その2日後、私は無事、退院しました。病院の先生方、看護婦さん達には、本当にお世話になりました。あの病院に入院出来てよかったと、今でも思います。