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決心・そしてミルク・マシーンになった私

私はアカネちゃんの励ましに勇気を得て、「ミルクを断つ」と決心しました。そして夫に、
「私、おっぱいだけでやってみる」
と宣言しました。私の頑固さをよく知っている夫は、
「そうか。頑張ってみるか。分かった。」
とだけ、言いました。
私と子リスの、「おっぱいを出そう運動」が始まりました。アカネちゃんが言ったとおり、やはりはじめは私のおっぱいの量は、子リスのお腹を満たすには全然足りませんでした。おっぱいを30分も吸っていると、子リスは疲れて眠ってしまいます。おっぱいを吸うことは、赤ちゃんにとってはすごい運動量なのだそうです。子リスは、生きるために必死におっぱいを吸い続けます。そして疲れて眠りますが、お腹が一杯になったわけではないので、またすぐに目を覚まして泣き出します。夫が抱っこして、「おっぱいが欲しいのかなあ。どれ、ちょっと実験してみよう。」と、指で子リスのほっぺをちょん、とつっついてみます。子リスは、口のそばに来るものは何でもおっぱいだと思うらしく、ぱくっと夫の指に吸い付きます。夫は「ハイ、おっぱいですね。」と言って私に子リスを渡します。時計を見ると、さっきあげてからまだ30分足らず。それでも子リスの鼻のあたりにおっぱいを近づけて見ると、子リスは鼻を鳴らしながらおっぱいを口にいれ、また一生懸命に吸うのでした。時には、15分ぐらいしか経っていないのにおっぱいを欲しがることもありました。もう、3時間おきの時間割なんてどこかへふっとんでしまいました。とにかく、子リスが欲しがった時に、欲しがるだけ、おっぱいをあげました。気が付くと私は、一日のほとんどの時間、ソファーに座りっぱなしで、おっぱいを出しているので、そのうちに何だか、自分がミルク・マシーンにでもなった様な気分になって来ました。

「おっぱいだけでやってみる」と宣言したものの、一日中何度も何度もおっぱいをあげていると、それだけ体から水分が出て行くのでしょう、喉はカラカラに渇くし、今までに経験したことのないほどお腹も空くし、何より疲れて、私は段々ふらふらになって来ました。「疲れている時だけでも、ミルクをあげた方がいいかな…」と考えたりもしましたが、それでもアカネちゃんの言葉を思い出して、朝から晩まで、おっぱいをあげ続けました。
そんな日が何日か続いたある日、はじめに左のおっぱいをあげ始めて1~2分経った時、右側のおっぱいに、「ツーン」という感じを覚えました。そして右のおっぱいが固く張っていることに気づきました。(これが射乳反射というものだと、後で知りました。おっぱいが沢山作られている証拠です)子リスを抱きなおして右のおっぱいをあげてみると、おっぱいの飲み方が、今までと違います。口を大きく動かして、今までよりももっと一生懸命、うっくん、うっくん、と飲んでいます、そして何より、子リスの喉が、「ゴクン、ゴクン」と鳴っているのです。やったー!ついにおっぱいがちゃんと出たあー!私は夫を呼び、「ちょっと来て!子リスがゴクン、ゴクンって飲んでる!」「どれどれ」とやって来た夫は、「ほんとだ。これが『飲んでる』って言うんだよなあ。よく頑張ったなあ。」と嬉しそうな顔をしました。本当に、私も子リスも、そしておっぱいもよく頑張りました。子リスは、ゴックン、ゴックンとおっぱいをたくさん飲むと、満足そうな顔をして寝息をたて始めました。そして私も、初めて自分のおっぱいだけで子リスのお腹が一杯になったことで、何とも言えない満足感を味わっていました。