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このサイトを開設したのは…

調べ始めてすぐに、場面緘黙症は日本では認知度がとても低く、児童心理の専門家や教育関係者の中にも、詳しい人は多くはいないということがわかりました。でも、子リスと同じ問題を抱えている子どもは日本にも沢山いる筈で(場面緘黙症の発症率は1000人に2~3人と言われています)、その親御さん達は、私と同じように「そのうち何とか…」と不安を抱きつつ過ごしていたり、少ない情報量の中で途方に暮れているかも知れません。
インターネットには、場面緘黙症についてとても詳しく書かれていて、多方面の情報を得ることの出来るサイトもあります。また書籍としては、今のところ日本語で手に入るものはあまり多くはないのですが、場面緘黙症の研究が進んでいるアメリカやカナダでは、緘黙症に関する多くの書物が出版されています。その中の一冊が、前出の友人が私に貸してくれた、
Helping Your Child with Selective Mutism (2005) という本です。(★)
これはカナダの子ども病院のお医者さんと精神医療スタッフによって書かれた本で、場面緘黙症とはどういうものか、原因は?学校や家庭でどのように対処するべきか、などについて、分かり易く解説してあります。、私が子リスの問題について勉強し始めた時に、場面緘黙症というものを理解し、それにどう取り組むかの指針を立てる上で、まさに羅針盤の役割を果たしてくれた本でした。
 
★この本に関してはその後、待望の日本語訳版が出版されています。
「場面緘黙児への支援 学校で話せない子を助けるために」 (田研出版 2007年)

子リスが小学校一年生の時、学校の担任の先生と、市のカウンセラーの方と私との3人で、この本をガイドブックとして、面談を行いました。そして、子リスが学校でリラックスし、「話せない」という問題から抜け出せるための策を練り、少しずつ実践し始めました。何が特効薬なのかわからず、まさに手探り状態でしたが、私達の日々の小さな取り組みが、子リスが自分の中に持っている「伸びる力」で問題を乗り越えて行く手助けになれば…と願いながら、子リスを見守る日々が続きました。そして、少しずつ、本当に少しずつ、子リスは変わって行きました。

このサイトを開設した当時は、取り組みが始まったばかりでした。私達の試行錯誤と子リスの成長の記録を残したいという思いからでしたが、同時に、同じ悩みを持つ親御さん達との出会いも期待していました。有難いことに、沢山の方からコメントやメールをいただき、悩みを共有したり、励まし合ったりすることが出来たのでしたが、その後私が体調を崩したのをきっかけに、6年間ブログを休止することになってしまいました。

その間、ブログは止まっていましたが、当然子リスは成長し続け、様々なことがありました。
子リスは今、緘黙症を乗り越えて、友達や先生と話せるようになっています。
過去のブログを読み返したり、これまでのことを振り返ると、子リス自身は本当によく頑張り、時にはよく耐えて、日々を過ごして来たんだなあ…と、何とも言えない気持ちになります。でも、子リスがここまで来ることが出来たのは、学校の先生方や友達、周りの沢山の人達の支えがあったからに他なりません。そのことを改めて思った時、やはりこれまでのことをきちんと整理し、残しておかなければいけない、という思いに駆られ、2012年2月、ようやくブログを再開することになりました。
主に6年間を振り返る形でのブログになりますが、今だからわかることや、新しい気づきも多々あります。私達の歩みの中に、何か一つでも、今緘黙症に取り組んでいらっしゃる方の参考になることがあれば、それは私にとって何よりの喜びです。また私自身が、記録を綴りつつ今を考えることで、欲張りで自分勝手な親心を省みて初心に返り、思春期を迎えた子リスを、強く優しく支えられる親になれたら…という願いもあります。