1年生時代 その⑪ 子リスの告白

今夜子リスは、なかなか寝付けないようでした。
「どうしたの?」と聞くと、子リスは急に、
「ママ、ボクは喋れない子になっちゃうの?」
と私に聞いて来ました。

私:  「どうして?」
子リス:「だって…そう言われたんだもん。」
私:  「誰に?」
子リス:「クラスの女の子たち。」
私:  「そうなの?」
子リス:「ボクは2年生になったら喋ろうと思ってるんだよ。だけど、今日女の子たちが、『いつから喋るの?』って聞くから、手で『4月』ってやったら、『ダメ!』って…。『3学期から絶対に喋るってやくそくして!』っていうんだよ…。」

私:  「子リスは2年生から喋ろうって思ってるんだ。」
子リス:「うん。でも女の子たちは、『今喋らないと、ずっと喋れない子になっちゃうよ』って…。」

自分が学校で話せないことについて、こんな風に子リスが話したのは初めてでした。

私:  「ねえ、女の子たちは、子リスのことが好きで、子リスの声を聞

きたいってすごく思ったから、そんなことを言ったんだと思うよ。でもね、子リスがいつから喋るかっていうのは、その子達が決めることじゃないでしょ。」
子リス:「そうだよ。」
私:  「子リスの中で、準備が出来る時が必ず来るから、その時になったら子リスは話せるようになるって、ママは知ってるよ。」
子リス:「どうして?」
私:  「だって、幼稚園の時はお友達と手をつなぐなんて信じられなかったけど、今もつなげないの?」
子リス:「ううん。」(少しにやにや)
私:  「運動会で走れるなんて、去年は絶対思わなかったでしょ。でも、まだ走れないの?」
子リス:「ううん。」(にやにや)
私:  「出来る時って、必ず来るんだって思わない?」
子リス:「おもう。」
私:  「ママなんて、子リスよりもーっとずーっと、おとなしくて、泣き虫で、こわがりだったよ。」
子リス:「でもママ今しゃべってるよねえ。」
私:  「でしょ!?」

「絶対喋れるようになる」なんて言い切っていいのかしら…と、少し迷いましたが、言い切りました。
「今は出来ないけれど、必ず出来る時が来る」と思い続けることが、本人にとっては大切なのではないかと思います。それにこの際、暗示をかけてみるのもアリでしょう(?)。

子リスは少しほっとした様子を見せましたが、今夜はその後更に、告白が続きました。

子リス:「休み時間、ボクは外に行かないの。行っても遊べないからつまんないんだ。」
私:  「つまんないの?」
子リス:「皆でドッジボールをします、とか、決まってる時はいいけど、そうじゃない時は、遊ばないの。ただ教室にいたり、学校の中を一人でおさんぽしてるの。学校さんぽは楽しいけどね。でもだいたいは、つまんない。」

ちょっと前まで、「休み時間が楽しい」と聞かされていたので、これはショックでした。話せないことを責められて(女の子たちは責めるつもりではなくて、思いやりで叱咤激励してくれたのに違いないのですが)、急に全部がつまらなくなってしまったのかしら…。それとも、ふと気付いたら、やっぱり自分はみんなと同じように遊ぶことが出来ていない、という風に考えてしまったのかしら…。
私が何と言おうか考えているうちに、子リスは、また悲しそうな顔に戻って、「ママ、もう寝よう。」と言って目をつむってしまいました。そんな気持ちのまま眠らせるのは可哀想でしたが、子リスはもう話したくないようでした。私は、「大丈夫、朝になったらまた楽しくなるから。」と言って添い寝をするしか出来ませんでした。
運動会で、いい調子かも…と思ったばかりでしたが、やっぱり日々いろいろあるものですね…。

1 COMMENT

てちてちママ

うちの息子が2年の時に、同じクラスの女の子から
電話がかかってきたことがありました。
後で息子に聞いたところ
「学校でちゃんと話した方がいいよ」というような
忠告?の内容だったようです。きっと心配してくれる
親切心だったのだろうと思いますが、子供は表現が
ストレートですよね。それは決して悪いことでは
ないのですが、緘黙児のように繊細な子には
それは時として深く傷ついたりするんですよね。
でも、絶対に大丈夫、君になら出来るって私はいつも
肯定して暗示をかけています(^^)
暗示もアリでしょう(笑)
私も日々、息子の言動に一喜一憂していますよ。

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