1年生時代 その㉔ [子リスのクラスメート:R君とR君]

(2022年2月23日更新)

今回は、子リスのクラス、1年1組のクラスメートを2人、紹介します。家の方向が一緒なので、学校から帰る時はいつも一緒の2人です。2人ともイニシャルがRなので、ここでは、レイ君と、リック君と呼ぶことにします😊

まず、レイ君。明るくて元気で、かわいいお調子者の彼は、いつもふざけたことを言ったりしたりしています。授業参観の時にも、後ろを向いて私達に変な顔を見せてみたり、隣の子にちょっかいをかけてみたり…。そんなレイ君のお母さん曰く、「レイはね、赤ちゃんの時、おとなしーく座ってニコニコして、天使みたいだったの。なーんでこうなっちゃったんだろう…?」

でもレイ君は、ふざけてばかりいるのに、実は色々なことによく気が付く、本当に面倒見の良い子なのでした。例えば子リスの報告によると…
学校帰り、「今日は金曜日だから、子リスはピアノでしょ?」と言ってくれた。
 下校途中、学校に忘れ物をしたと子リスが気付いて困っていたら、それを察して「わすれもの?」と聞いてくれた。
 しかも一緒に教室まで戻って先生に、「先生~、子リス忘れ物だって!」と言ってくれた。
 それから給食時間には、なんと子リスの服についたゴハンつぶまで取ってくれた…

そしてもう一人、リック君という男の子。こちらはレイ君に比べたら口数は少なく、どことなく子供ながらに達観したような、ちょっと“雰囲気“のある子でしたが、やっぱり”立派な小学生男子“でもあって、よくレイ君と2人でふざけ合っていました。
流行っているお笑いのギャグを叫んだり、いわゆる「変顔」をして見せたり…要するに小1男子の言いそうなこと、やりそうなことは全て網羅しているといった…

二人のそんな様子を、子リスはいつもニコニコ、ニヤニヤしながら眺めて喜んでいるのでした。本来、家では相当なお調子者の子リスには、大好きな光景だったのでしょう。ひょっとしたら、子リスの願望を体現してくれる二人でもあったのかもしれません。

二人はよく、子リスの脇腹のあたりをつっついて、子リスが「ひゃあ」っと小さい声を出すと、
「あっ、今子リスが『ひゃあ』って言った!」と大喜びしていました。公園に行って、一緒に遊ぶ日もありました。2人とも、子リスを「いじり」ながら、楽しく関わってくれた大切な友達です。

そしてその二人のお母さん達はどんな人達かと言うと…

やっぱり、この母にしてこの子あり。

二人ともすごく面白くて、いつも冗談ばかり言っていて、そして心底温かい人達なのでした。
この二人には、子リスのことを一通りー場面緘黙症というものであること、それを本人には知らせないようにしていることなどーを話してありました。
私にとって、子リスの小学校のあるこの地は、たまたまいくつかの条件で選んだ場所であって、自分が生まれ育った場所でもなければ、両親の故郷などでもない、いわば何の縁もゆかりもない町です。そんなところで初めての子供を入学させた学校は、全校生徒800人を超えるマンモス校。親同士の付き合いも、なかなか地元のそれとはだいぶ違った雰囲気で(ちなみに私は岩手県の小さな町の出身です)、戸惑うことの方が圧倒的に多かったのですが、そんな中で、二人のお母さんには、信頼して子リスのことを話すことが出来ました。
これは奇蹟に近いことだったと思っています。

彼女達は、表面的な優しさだけで子リスに接することはなく、可哀そうがるわけでもなく、特別扱いするわけでもなく、でも細やかに、楽しく、時にはレイ君とリック君をけしかけ、時には自分で、本当にごく自然に、しかも積極的に子リスに関わってくれました。

私にはできないな、すごいなー。いつもそう思いながら、自分の子供の友達との関わり方を、私は彼女たちか学んだように思います。

今でもたまにスーパーなどでばったり会うと、昔と変わらずにおしゃべりをしますが、その時私は、子リスをかわいがってくれる親戚に会った様な気持ちになるのです。

レイ君、リック君、そのお母さん達。その人がその人であることに、そして彼らとの出会いに、ずっと感謝しています。

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