1年生時代 その② 見ない振り

ヨーカドーで買い物をした後、ロッテリアで休憩。向かい合って座ってポテトを食べていたら、子リスが急に、姿勢を低くしたのに気付きました。この様子は…誰か知っている人を見つけた時の姿勢だ…。辺りを見渡してみると、やっぱり。幼稚園で同じクラスだった、Kちゃんとそのお兄ちゃん、お母さんの3人を発見。Kちゃんは、幼稚園時代、女の子の中では子リスが一番よく関わった子で、子リスも、「女の子の中ではKちゃんが一番すき。」と言っていました。とても優しくて、面白くて、さりげなく子リスを気遣ったり、かわいがったりしてくれる、お姉ちゃんの様な存在だったと思います。
それでも、「今日ヨーカドーのロッテリアで、Kちゃんに会う」なんていうことは、子リスにとって「予想外のこと」だったので、(子リスは緘黙症の子どもの類に漏れず、予定の急な変更などにヨワイのです)Kちゃんを見つけて、一瞬にして緊張してしまったのでしょう。姿勢を低くしたのは、条件反射的にとった行動だったと思います。
子リスは勿論、「ママー、Kちゃんがいるよ!」なんて言いません。出来ればママがあの3人に気付かないで欲しいと思っていることぐらい私は知っています。知ってはいますが、見つけてしまったものは仕方がありません。それに、ここで知らない振りをしてしまえば、子リスの引きこもりがちな気持ちを強めてしまうような気がします。そこで、間を置かず席を立って、Kちゃん達に声をかけに行きました。3人はとても喜んでくれて、私達の隣のテーブルに座り、一緒に話をしました。子リスは椅子に半分だけ腰掛けて、Kちゃん達の方を見ないようにしています。
でも、気が付くと、Kちゃんだって、そんなに積極的に話に参加している訳ではなく、私が聞いたことにも、恥ずかしそうに、自分のお母さんに向かって小声で答えたりしています。そうだ…子どもなんて、こんなものなんだ…と、思い出しました。勿論、場面緘黙症は、単なる内気さと区別して考えなければならないことです。でも、子どもが大人のように誰とでも話せないのは当たり前で、それが経験を積む内に出来るようになっていくというシステムは同じなのではないでしょうか?場面緘黙症の子どもの場合は、根底に不安・恐怖が強くある訳だから、それを取り除くための工夫をしながら、「場数を踏ませる」のが大事かな、と感じました。私自身が、実は引っ込み思案で、知っている人を見つけた時に「見なかったことに」してしまったりするのですが…この際ちょっとガンバッテ、親子共々場数を踏んで行きたいと思います。

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