高校時代 その① 桜吹雪 [1年生]

K高校入学式の日が来ました。朝起きてカーテンを開けると、雲一つない空が広がっていて、「入学式日和」とでも言いたいようなお天気です。

会場となったのは学校の近くにある市民会館でした。

同じ中学校からの入学は9人。親同士も殆どの人が知り合いだったので、みんなで会場前に集まって、話したり写真を撮ったりしながら開場を待ちました。
会場入り口の近くには大きな桜の木があって、満開の花を咲かせています。その前で集合写真を撮りましょうか、ということになり、息子達を一列に並ばせました。
「はい、こっち向いてー!」私達が声をかけ、シャッターを押そうとしたまさにその瞬間、ふわあっと風が吹いて来て、桜の枝を揺らし花を巻き上げました。息子達も私達も、思わず一斉に「うわあ!」と歓声をあげました。

真っ青な空にお日様がキラキラ光って、そこにピンクの花吹雪が舞っています。高校生活の始まりを春風に祝福してもらった気がして胸が一杯になったのは、みんな同じだったようです。

開場の時間になったので、受付をしてホールに入りました。ホールの客席前方は新入生の席で、後ろの方に保護者席があります。

校長先生のお話や、生徒会長さんからの祝辞に続き、新入生の呼名が始まりました。

「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」・・・・・・・

どこまで呼んでも低い声。男子の声しかしません。
そりゃそうだ、男子校なんだから。

でも、自分自身、そして子リスの学校生活を通してずーっと、男子が半分、女子が半分の世界しか見て来なかった私には、この延々と続く低い声が、とても不気味…いえ、新鮮に感じられたのでした。新入生400人、400回の低音の「はい」。

入学式が終わり、私達は市民会館を出て学校に向かいました。そしてついに、念願のK高校の校門をくぐると…そこには、腕組みをして、おっかない顔をして立っている、応援団のみなさんが並んでいました。

わー…。怖そう…でも懐かしい。私が卒業した高校も、応援団が率いるバンカラな校風の高校だったので、私としては親しみを感じる出で立ちではあります。しかしこれからここに入学する子リスのことを考えると、

「こんな人達のいる学校で、ホントに大丈夫だろうか?」

とチラッと不安がかすめるのでした。

でも、子リスはとにかく、うれしくて仕方がない様子です。背中に羽が生えたかのように生き生きとしている子リスは、どこか小さい頃を思わせる顔をしていました。

自分で決めて、頑張って入った学校です。どんな高校生活になるのかわからないけれど、応援して行きましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA