4年生時代 その⑫ 夏休み恒例!ポケモンスタンプラリー

 連絡帳には、「頭が痛いと言いますので」「吐き気があります」「体調がよくないようです」という文が度々登場しながらも、子リスは何とか一学期を過ごし、夏休みに入りました。

 今年の夏休みも、幕開けはJRのポケモン・スタンプラリーです。同じマンションのT君とは、今年度は別々のクラスになってしまったものの、毎週水曜日にどちらかの家で遊ぶの習慣は変わらず続いていて、前よりも更に親しくなっていました。

 今回も、お出掛けの計画はT君のお母さん、Nさんにほぼお任せです。ホントに申し訳ないといつも思うのですが、私の行動力の無さ、情報の乏しさを気にする様子も見せず、Nさんは本当にテキパキと計画を立てて、「これでいいかなあ?」と提案してくれるのです。私はもう、一も二もなく、「うんうん!すごくいいと思うなあ!」これは、お任せしているから言っている訳ではなくて、本当に素晴らしい計画なのです。しかも今回は、身重の私を気遣って、休憩をたっぷり取りながらの旅程。自分がものすごく不得意なことが得意な人っているんだ…と、心底感心する私なのでした。

 電車に乗ると、Nさん、T君、弟のH君、そして子リスが、一斉に空いている席を探して私を座らせてくれます。恐縮しながら座ると、子リスが私のお腹を指差して、「もう、誰から見てもわかるよねえ。」と、ちょっと得意げな顔で言いました。お兄ちゃんになるんだもん。そんな気持ちが溢れた笑顔でした。

 今年の旅程には、各駅でスタンプを「ゲット」して回るだけでなく、途中下車して、電力館やポケモンショップに寄る時間もありました。
 電力館には、電気を使った装置で面白い体験が出来るコーナーが色々あって、小学生なら誰でも夢中になれるような場所でした。子リスも実験の類は大好きですから、それは楽しそうに遊んでいました。

 もともと子供というのはみんな、好奇心のカタマリみたいなものなのでしょうが、その好奇心をくすぐられ、ぶつける体験を「誰と」するか、というのも大事なんだろうなあ、と、子リスを見ながら思いました。家族で来れば、それはそれで楽しい思いをするのでしょうけれど、友達と一緒なら、更に一段上の「ワクワク」が生まれるのだろうと思います。
 体験コーナーの中には、大人がやっても面白いと思うものから、大人の冷めた心にとっては「ふ~ん、ナルホドネ…」というようなものまでありましたが、子供達には、どれもこれもが面白いらしく、子供達は3人とも、キラキラ、ニコニコしながら遊んでいました。

 親が見ている安心スペースで、心を許せる友達と遊ぶ、という、子供にとってはゼイタクな環境です。
 この頃の子リスにとって、

友達とだけいる時は、ちょっとしたチャレンジ要素もあって、刺激的な時間。
家族といる時は、安心して自分のプロジェクトに没頭できる、やりたい放題の時間。
親が見ていて、気心の知れた友達と遊ぶのは、安心&楽しい、の二色盛り。

 その他にも、親がいて、それほど親しくない友達と会った時などは、双方にちょっと気を使っちゃう、とか、いろいろな組み合わせがあると思います。

 どれが本当の自分なんだろう?とか、これぐらいの年齢の子供は(少なくとも子リスは)考えないだろうけど…
 こうやって色々な人と関わったり、色々な集団の中に身を置きながら、それぞれの状況での自分の心地よさや自分の立ち位置などを確認しつつ、大人になって行くんだろうなあ。大人になっても、その作業は続いていくんだけど。私は今でも結構迷ったり困ったりが多いということは、そういう気質が遺伝してるのかな。・・・等々、子リスを見ていると、自分自身のことを含め、色々な事を取りとめもなく考えるのでした。

 さて、一番最後に寄ったポケモンショップでは、ここでしか手に入らないようなポケモングッズもいろいろ売っていましたが、子リスは迷わず、コレクションに加えるべく、欲しかった指人形を「ゲット」し、大満足の様子でした。帰りの電車はやっぱり「ポケモンしりとり」。3人とも疲れた様子も見せず、ハイレベルの戦いが続きました。

 そして振り返ってみれば、子リスは今日一日中、T君やH君と“普通に”おしゃべりしながら、楽しく過ごしました。
 もう、子リスにとってT君達との空間は、緘黙になる「場面」ではなくなった、ということなのでしょう。

 去年にも増して楽しく、心躍る一日になったことを、Nさんに心から感謝しました。

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