6年生時代 その⑱ スモールステップの子育ては

2年生の最後の授業参観で—

国語の教科書をみんなで声をそろえて読む「群読」をした時、子リスが初めて、口を動かしているのを見ました。それまでは、きゅっと口を閉じて、居心地が悪そうにしているだけだったのに、その日はしっかり口を動かして、いわゆる「口パク」で音読をしたのでした。
その様子を見た時のことを、2年生のエントリーにこんな風に書いています。(「群読」)

 

「すごい!と驚き、涙が出てきました。そしてその時に初めて思ったのが…
子リスのおかげで、ひとつひとつのことにこうやって喜んだり、感激したりすることが出来る。もともと出来る子にとっては一段であることが、子リスにとっては何段にもに区切られているので、(つまり“スモール・ステップ”)その度に達成感を味わうことが出来る。これは、嬉しいことが何倍も多い「お得な学校生活」かもしれない!ということでした。」

この思いは、実に小学校卒業までずっと続き、本当に「喜んだ数」が多い6年間になりました。勿論、その裏には、それ以上の心配や不安の数があったことは言うまでもありませんが、それでも、小さなステップを上る度に感じた喜びはひとつ残らず、子リスからもらったプレゼントだと今も思っています。

そして、この「スモールステップ」という言葉と考え方を教えて下さった、保健センターのUさんに感謝を伝えずにはいられず、4年ぶりにメールをしてみました。Uさんは、子リスが「学校で話すこと」を含め、色々な面で成長したことをとても喜んでくださいました。
「場面緘黙症」にとどまらない様々な難しさのあった子リスの小学校生活を、くじけずに見守る姿勢の基礎を作ってくださったのは、Uさんに他なりません。

いつの日か、またお目にかかることが出来たら、改めて感謝の気持ちを伝えたいと願っています。

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