4年生時代 その⑯ 子リス、検診に付き添う

小学校で色々なことが起きている間にも、私の中のちびリスは、順調に育っていました。
この世に出て来る予定日は12月20日。今年は丑年ということで、お腹のちびリスには、「モーちゃん」と名付け、時々呼びかけていました。

子リスは、大きくなってきた私のお腹を、「触ってごらん」と言うと遠慮がちにそーっと触り、「あ、うごいてる・・・」と喜んでいましたが、でもあまりむやみに触ってはいけない、と思っているようでした。考えてみれば、お母さんのお腹の中に「いきもの」がいて動いている・・・なんて、子供にとっては、驚異・畏怖の方が大きいかもしれません・・・。

ちびリスは、兄に負けずとても元気で、時には上に掛けている毛布まで波打つほどぐりん、ぐりん、と動き回ったり、夜中にしゃっくりをしてみたり、なかなかの存在感を放っているのでした。

8ヵ月の検診の日、ちょうど運動会の振り替え休日で家にいた子リスは、私に付き添って病院に行くことになりました。今日は「モーちゃん」、つまりちびリスの性別がわかるかもしれません。

待合室で呼ばれるのを待っていると、子リスが、「診察が終わって、ちびリスの性別がわかっても、すぐ言わないでね。もし男の子だったらボクの右手、女の子だったら左手をさわってね。」と言います。「わかった、右が男の子、左が女の子ね。」
まもなく私は名前を呼ばれ、「じゃ、行ってくるね」と子リスに言って、診察室に入りました。

約15分後。診察室から出ようと扉を開けたら、すぐ目の前に子リスが立っていました。「うわっ、びっくりした!」
子リスも、急に私が出て来たのでびっくりしています。が、すぐに両手をグーの形で私の前に出しました。
私は子リスとの約束を思い出し、黙って「左手」をぽんと触りました。

子リスは、声は出さず、「うん、うん」と何度も頷いています。

ちびリスは女の子でした!これは、まず夫にとって最大のニュースでした。男兄弟だけで育った人が女の子の父親になると、「どうしていいのか分からない」と慌てる人が多いらしいと聞きますが、夫は全くその通りでした。
次に子リス。何度か子リスに、「男の子と女の子、どっちがいい?」と聞いてみたことがありますが、子リスはいつも、「どっちでもいい」と照れたように答えたものでした。でも今日、女の子だと(手の合図で)わかった時、子リスはとても納得したような、満足そうな様子でした。それから時々、「いもうと」が出来るという事実をかみしめ、思いを巡らせているようです。

そして私です。自分は勿論女だけれど、女の子の子供を持つというのは初めてのことです。男の子である子リスとは、いろいろ違うんだろうなあ・・・女の子を持つ友達の話を聞くと、どうやら違うらしい。どんな感じなんだろう?そして、女の子のお母さんにもなる自分って、どんな感じなんだろう?

とにかくとにかく、無事に生まれて来て欲しいと、改めて思いました。
“お兄ちゃん”もすごく待っています。

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