4年生時代 その① 桜

 私が小学生だった時、4年生に進級して初めて新しい教室に入った瞬間、自分がとてもお姉さんになったような気がしたことを鮮明に覚えています。子リスはどうだったのでしょう。

 4年生になったということは、小学校生活の中間地点を折り返したということです。このことは私に、「さあ、いよいよ後半。これからどうする?」というプレッシャーを少なからず与えていましたが、3年生最後のN先生との面談で、子リスの思いがけない成長を知り、「見守る」ことの重要性を再認識させられたところでもありました。

 ただそれと同時に、子リスの力を信じて、ちょっと「頑張ってみる」ことを始めてもいいのではないか…とも思っていました。無理はさせない。でもこれからは少しだけ、「話せるようになろう」という意識を持つ方向へ進んでみようか…。そう考えるとやはり、身の引き締まる思いがするのでした。

 始業式の日です。この日、私は午前中だけの仕事を終えて、帰りの電車に乗りました。でも今日は家まで帰らず、すぐ次の駅で下車します。始業式のあと家に帰った子リスが、一人で電車に乗って、その駅まで来ることになっていたからです。石神井川のすぐそばにあるその駅を降りると、川の両岸に沿ってずっと桜の木が並び、春にはこの地域で有名なお花見スポットになっていました。

 天気は快晴。桜は満開でした。ここは、一昨年まで、父を車椅子に乗せてお花見に来ていた場所でした。昨年は入院中だったため、リハビリの先生が病院の庭に咲く桜を見に、外へ連れだしてくれたのだった…そんなことを思い出し、やっぱり父がいないのは寂しいなあ、などと思いながら時計を見ると、そろそろ子リスが電車に乗った頃合いです。

 子リスの足で家から駅まで歩いて約7分。電車に乗っている時間は15分。子リスが一人で電車に乗るのは初めてではありませんでしたが、やはり、「切符を無くしたとか、何か困ったことがあったらどうする?」「電車の中で誰かに話しかけられたらどうする?」と、あれこれ心配は浮かんできます。

 でも幸い何事もなかったようで、子リスは無事、待ち合わせの駅に到着しました。ちょっと照れたような笑顔で電車から降りて来ます。そして開口一番、

「4年1組になったよ。」

「えっ、また1組?」
1年生、2年生と1組。昨年は3組でしたが、今年はまた1組。5クラスもある中での話ですから、よほど1組には縁があるに違いありません。

そして一番気になること。

「担任の先生は?」

「K先生。」

あっ、と思いました。K先生は、実は入学前に既に一度、お世話になったことがあり、何となく、いつかお話出来たら嬉しいなあ…と、思っていた先生だったからです。

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